Japanese
English
症例報告
乳房に生じた壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangrenosum of the breast
酒井 あゆみ
1
,
堀田 亜紗
1
,
佐藤 麻起
1
,
大須賀 裕子
1
,
田中 理子
1
,
廣門 未知子
1
Ayumi SAKAI
1
,
Asa HOTTA
1
,
Maki SATO
1
,
Yuko OHSUGA
1
,
Masako TANAKA
1
,
Michiko HIROKADO
1
1横浜南共済病院皮膚科
1Division of Dermatology, Yokohama Minami Kyosai Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
Keyword:
壊疽性膿皮症
pp.557-561
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206729
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要約 52歳,女性.特記すべき既往歴や乳房への外傷・手術歴なし.初診の3週間前より誘因なく左乳房が腫脹し,抗菌薬を投与されていたが急速に潰瘍化したため当科を受診した.初診時,左乳房全体に発赤,腫脹を認め,乳房の下半分は潰瘍化していた.各種培養は陰性で,皮膚生検では真皮に血管炎を伴わないびまん性の好中球浸潤を認めた.ステロイド内服・外用により潰瘍は上皮化した.上皮化後,タクロリムス軟膏外用を併用しながら再燃なくステロイド漸減中である.壊疽性膿皮症が乳房に生じることは稀であるが,文献では乳房の壊疽性膿皮症は乳房の術後に生じることが多く,また乳頭を避けて潰瘍を形成するという特徴的な臨床像を示すと報告されている.これらは乳房の潰瘍病変について他疾患と鑑別する際に重要なポイントとなると考えた.
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