Japanese
English
症例報告
シクロスポリンが著効したBasedow病を伴う壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangrenosum successfully treated with cyclosporin in a patient with Basedow disease
西村 真智子
1
,
小玉 和郎
1
,
大口 由香
1
,
八百坂 遵
1
,
剱持 靖子
1
Machiko NISHIMURA
1
,
Kazuo KODAMA
1
,
Yuka OHGUCHI
1
,
Mamoru YAOSAKA
1
,
Yasuko KENMOTSU
1
1JR札幌病院皮膚科
1Department of Dermatology,JR Sapporo Hospital,Sapporo,Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
シクロスポリン
,
Basedow病
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
シクロスポリン
,
Basedow病
pp.177-180
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102818
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要約 50歳,女性.初診の3か月前に右下腿前面に疼痛を伴わない紅色丘疹が出現し,潰瘍化した後に拡大した.病理組織学的に潰瘍部に好中球を中心とした稠密な細胞浸潤がみられた.潰瘍部の細菌,真菌,抗酸菌培養はすべて陰性だった.臨床,病理組織像から壊疽性膿皮症と診断した.精査中に頻脈発作があり,Basedow病によるものと判明した.プレドニゾロンの単独投与は無効であったため,シクロスポリンの内服を追加投与したところ著効した.本症には炎症性腸疾患,血液疾患が合併することはよく知られているが,自験例のように甲状腺疾患の合併例は稀である.また本邦では本症に対するシクロスポリンの保険適応はないが,ステロイド抵抗性の症例には投与を考慮すべきと考えた.本邦シクロスポリン投与例の検討を加え報告する.
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