Japanese
English
症例報告
亀頭部に生じた壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangranosum on the glans penis
佐藤 英
1
,
安田 聖人
1
,
金森 祐太
2
,
徳力 篤
3
,
清原 隆宏
3
,
熊切 正信
3
Suguru SATO
1
,
Masato YASUTA
1
,
Yuta KANAMORI
2
,
Atsushi TOKURIKI
3
,
Takahiro KIYOHARA
3
,
Masanobu KUMAKIRI
3
1福井大学医学部皮膚科形成外科診療班
2公立丹南病院皮膚科
3福井大学医学部皮膚科
1Division of Plastic and Reconstructive Surgery, Department of Dermatology, University of Fukui, Fukui, Japan
2Division of Dermatology, Tannan Regional Medical Center, Sabae, Japan
3Department of Dermatology, University of Fukui, Fukui, Japan
キーワード:
陰茎
,
壊疽性膿皮症
,
尿道瘻
,
難治性潰瘍肝炎
Keyword:
陰茎
,
壊疽性膿皮症
,
尿道瘻
,
難治性潰瘍肝炎
pp.687-690
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103382
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要約 64歳,男性.既往歴にはB型肝炎がある.初診の約16か月前に屋外で転倒し,包皮部を裂傷し当院泌尿器科で保存的に加療された.初診の約2か月前に,亀頭部から出血したため,潰瘍部とその周囲の瘢痕組織の環状切除術が施行された.術後,創部から排膿を繰り返し治癒しないため当科へ紹介された.初診時,亀頭部に排膿を伴う穿掘性潰瘍があり,一部に尿道瘻を認めた.生検したところ,真皮内に主に好中球から構成される境界明瞭な膿瘍があった.膿瘍周囲には類上皮細胞肉芽腫がみられた.特殊染色と培養検査は陰性であった.壊疽性膿皮症と診断し,ステロイドの全身投与を行った.ステロイド治療開始10か月後,尿道瘻や瘢痕による変形は残存するものの,潰瘍部は上皮化した.陰茎部の壊疽性膿皮症は著明な浮腫や腫脹を生じるため,診断が難しく注意が必要である.
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