Japanese
English
症例報告
壊疽性膿皮症―植皮術を併用した1例
Skin grafting for pyoderma gangrenosum
大口 由香
1
,
清水 聡子
1
,
安居 千賀子
1
,
保科 大地
1
,
堀内 勝巳
2
,
土屋 喜久夫
1
Yuka OHGUCHI
1
,
Satoko SHIMIZU
1
,
Chikako YASUI
1
,
Daichi HOSHINA
1
,
Katsumi HORIUCHI
2
,
Kikuo TSUCHIYA
1
1市立札幌病院皮膚科
2市立札幌病院形成外科
1Department of Dermatology,Sapporo City General Hospital,Sapporo,Japan
2Department of Plastic Surgery,Sapporo City General Hospital,Sapporo,Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
シクロスポリン
,
分層植皮術
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
シクロスポリン
,
分層植皮術
pp.80-84
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102498
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要約 75歳,男性.特に誘因なく,外陰部,四肢に多発性の潰瘍が出現した.外陰部,四肢に径8.5cmまでの潰瘍および紫紅色結節を散在性に認めた.病理組織では,真皮全層にわたり主として好中球が細胞浸潤していた.臨床像,病理所見より壊疽性膿皮症と診断した.プレドニゾロン1mg/kg/日が無効のため,シクロスポリン3~5mg/kg/日を併用した.その後,病変の拡大,新生はとどまったものの,潰瘍は縮小傾向なく,下腿ではアキレス腱の露出も認め,保存的治療での閉鎖は困難であった.病勢は落ち着いていると判断し,4か所に分層植皮術を施行したところ,生着し,すべての潰瘍が治癒した.本疾患では外科的治療は一般的には避けるべきとされているが,病勢が落ち着いている難治性の壊疽性膿皮症には治療の選択肢として有用な症例もあると考えた.
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