Japanese
English
症例
犬咬傷を契機に発症しシクロスポリン単独投与が奏効した壊疽性膿皮症の1例
Pyoderma gangrenosum induced by a dog bite successfully treated with cyclosporine monotherapy
神﨑 美玲
1
,
今井 裕季子
2
,
川井 啓太
2
,
芳賀 康史
2
,
秋山 三郎
3
Mirei KANZAKI
1
,
Yukiko IMAI
2
,
Keita KAWAI
2
,
Yasushi HAGA
2
,
Saburo AKIYAMA
3
1水戸済生会総合病院,皮膚科,主任部長
2同,形成外科
3秋山クリニック,水戸市
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
下腿潰瘍
,
犬咬傷
,
シクロスポリン
,
植皮術
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
下腿潰瘍
,
犬咬傷
,
シクロスポリン
,
植皮術
pp.81-85
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003054
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57歳,男性。糖尿病,C型慢性肝炎の既往あり。5カ月前,大型犬に右下腿を咬まれた。やがて創部が難治となり,デブリードマン処置を受けた後から急速に拡大して,15cm大の有痛性潰瘍を形成した。病理組織学的には,真皮上層に高度の好中球浸潤がみられた。壊疽性膿皮症と診断し,基礎疾患を考慮してシクロスポリンを単独投与したところ,潰瘍は上皮化傾向に転じた。2年後にシクロスポリンを中止し,残存した潰瘍を植皮術により再建した。壊疽性膿皮症に対する保険適用はないが,基礎疾患によりステロイドを使用しにくい症例において,シクロスポリンは有効な治療薬である。また,病勢が安定していれば,植皮術などの外科的治療も選択肢となり得る。
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