Japanese
English
症例報告
黄色ブドウ球菌による再発性壊疽性膿瘡の1例
A case of Staphylococcus aureus-induced recurrent ecthyma gangrenosum
本多 皓
1
,
綿貫 沙織
1
,
栗原 英美
1
,
陳 科榮
1
Aki HONDA
1
,
Saori WATANUKI
1
,
Emi KURIHARA
1
,
Ko-Ron CHEN
1
1東京都済生会中央病院皮膚科
1Division of Dermatology, Tokyo-to Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
壊疽性膿瘡
,
尋常性膿瘡
,
黄色ブドウ球菌
,
骨髄異形成症候群
,
好中球減少症
Keyword:
壊疽性膿瘡
,
尋常性膿瘡
,
黄色ブドウ球菌
,
骨髄異形成症候群
,
好中球減少症
pp.347-352
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103593
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 症例は60歳,男性.初診1年前に骨髄異形成症候群と診断され,加療中であった.2010年5月,食欲不振と全身倦怠感が出現し,血圧低下,好中球減少,貧血を認め,CRP 29.4mg/dlと上昇し敗血症性ショックの疑いで入院した.入院時,体幹,四肢に鶏卵大までの中央に黒色痂皮を付着し,周囲に紅暈を伴う潰瘍を多数認めた.組織培養で黄色ブドウ球菌陽性で壊疽性膿瘡と診断し,セフトリアキソンナトリウム水和物2g/日点滴と精製白糖ポピドンヨード外用にて軽快した.3か月後,全身倦怠感,発熱と出血傾向を認め,好中球は176/μlと減少し,Hbは6.6g/dlへ低下したため再入院したが,右背部に前回同様の皮疹がみられた.病理組織では真皮全層に及ぶ壊死と,真皮下層に細菌塊を認めた.組織培養にて黄色ブドウ球菌陽性で,壊疽性膿瘡再発と診断した.本症起炎菌の多くは緑膿菌で,黄色ブドウ球菌は稀である.免疫不全状態を基礎に生じるため,本症を診察した際は早急な全身状態評価と治療開始が必要である.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.