Japanese
English
症例報告
尋常性膿瘡と肺動脈塞栓症を合併した汎発性膿疱性乾癬の1例
A case of generalized pustular psoriasis with ecthyma vulgare and pulmonary embolism
安見 真希
1
,
在田 貴裕
1
,
池本 千花
1
,
横瀬 千美
1
,
山本 祐理子
1
,
飯田 沙織
1
,
奥沢 康太郎
1
,
峠岡 理沙
1
,
益田 浩司
1
,
加藤 則人
1
Maki YASUMI
1
,
Takahiro ARITA
1
,
Chika IKEMOTO
1
,
Chiharu YOKOSE
1
,
Yuriko YAMAMOTO
1
,
Saori IIDA
1
,
Yasutaro OKUZAWA
1
,
Risa MINEOKA
1
,
Koji MASUDA
1
,
Norito KATOH
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine Graduate School of Medical Science, Kyoto, Japan
キーワード:
汎発性膿疱性乾癬
,
尋常性膿瘡
,
肺動脈塞栓症
Keyword:
汎発性膿疱性乾癬
,
尋常性膿瘡
,
肺動脈塞栓症
pp.109-114
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204298
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要約 68歳,男性.近医でアトピー性皮膚炎と診断されステロイドの外用を継続していた.初診の1か月前より紅斑が拡大したため,ベタメタゾン3mg/日の内服とクロベタゾールプロピオン酸エステル外用を開始したが改善に乏しく当科を受診した.初診時,体幹,四肢に膿疱,鱗屑を伴う紅斑を認めた.生検にて表皮内に好中球の集積からなる微小膿瘍の形成を認めた.膿疱性乾癬と診断し,外用療法を継続しながらエトレチナート30mg/日の内服を開始し皮疹は改善しつつあった.しかし,初診から18日目に顔面に多発する牡蠣殻状の痂皮と突然の呼吸苦を認めた.皮疹の培養検査より黄色ブドウ球菌が検出され尋常性膿瘡を併発した原因としてステロイド外用による細菌感染が考えられた.造影CT検査から左下肢深部静脈血栓症,肺動脈塞栓症の合併が明らかとなった.肺動脈塞栓症の原因となる下肢静脈血栓などの心血管系疾患と乾癬の関与は近年報告されており,乾癬では包括的な治療が必要であると考えられた.
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