特集 高齢者の耳鼻咽喉科・頭頸部疾患—治療とリハビリのてびき
6.高齢者の嚥下障害
②老人の嚥下障害の治療とリハビリテーション
伊藤 裕之
1
,
根本 明宜
2
,
加藤 孝邦
3
1神奈川リハビリテーション病院耳鼻咽喉科
2横浜市立大学医学部附属病院リハビリテーション科
3東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.107-110
発行日 1998年4月30日
Published Date 1998/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902706
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はじめに
老化とは,疾患あるいは病的過程によらない生理学的な不可逆的変化である。老化は,人間の機能の全てに認められる現象であり,嚥下機能も例外ではない。老人の嚥下障害には個人差が大きく,臨床的には生理的変化と病的変化とを厳密に区別することは困難であるが,日常生活に支障をきたすような嚥下障害はリハビリテーションの対象となり得る。本稿では老人の嚥下機能について概説し,神奈川リハビリテーション病院で経験した65歳以上の老人の嚥下障害の症例を呈示して,老人の嚥下障害のリハビリテーション(以下,リハと略)について考えてみたい。
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