特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科のリハビリテーション―症例を中心に
各論
2.音声言語ならびに嚥下 2)嚥下障害の初期対応―リハビリテーション専門病院の提言
伊藤 裕之
1
1神奈川リハビリテーション病院耳鼻咽喉科
pp.123-126
発行日 2007年4月30日
Published Date 2007/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101090
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Ⅰ はじめに
当科で治療を行う嚥下障害症例は,進行性神経筋疾患を除くと,全例が他院にて急性期の治療を受けた後当院に紹介された症例である。リハビリテーション専門病院の耳鼻咽喉科にて嚥下障害の治療を行うようになって約四半世紀になる。この間に嚥下障害を取り巻く環境は大きく変化した。嚥下障害に関心が集まるようになり,当初は未治療のまま放置されていた症例が少なからずみられた。しかし,最近では,他院にて治療を受けたにもかかわらず,経口摂取が可能にならなかった症例が増加している1)。最近の保健医療制度の変更に伴い,発症後6か月以上経た症例ではリハビリテーションが実施しにくくなり,効率よく嚥下障害の治療を行うことが要求されるようになった。本稿では,リハビリテーション専門病院の立場から,急性期の嚥下障害を扱うことが多い基幹病院(本稿では,急性期の疾患を扱うことが多い一般市中病院を基幹病院とさせていただく)の嚥下障害の対応について述べたい。
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