リハビリテーション・その現状
老人施設におけるリハビリテーション
竹内 孝仁
1
1東京医科歯科大学医学部,整形外科・理学療法部
pp.1049-1052
発行日 1980年12月1日
Published Date 1980/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207326
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リハビリテーションの理念
リハビリテーションは,先天的—後天的障害や老齢などによって,人間としてのあるいはそれまでの「生活」に破綻をきたした人々に対し,その生活の再建を目指す分野である.したがってその活動は単に医療的なものばかりでなく,障害をもつ人の生活に関与するすべての人人や機構などを包括した全体的なものとなる.これは「個人の生活」といえども決して孤立したものではなく,過去の生活史と現在彼を取り巻く社会集団とのかかわりの中で展開されるものだからである.したがって老人施設におけるリハビリテーションも,各種の「機能訓練」によってのみ成り立つのではなく,地域性を含む施設の性格,家族との結びつきかた,施設の方針など,そこにいる老人の生活に直接間接に影響するすべての因子への働きかけが必要である.
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