特集 高齢者の耳鼻咽喉科・頭頸部疾患—治療とリハビリのてびき
7.高齢者の睡眠時呼吸障害
①高齢者睡眠時呼吸障害の病態
戸川 清
1
,
宮崎 総一郎
1
1秋田大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.113-117
発行日 1998年4月30日
Published Date 1998/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902707
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はじめに
睡眠時呼吸障害とは睡眠中に換気障害が生じ,その持続により生体の多くの機能に悪影響をもたらす病態である1)。本症は生涯の全期間に発症し得るが,その原因,頻度,障害部位,程度,障害の影響などは年齢によって差がある。乳幼児は気道断面積絶対値が小さいうえに,身体諸機能も発達途上にあるので,諸原因による上気道狭窄はしばしば,かつ強い換気障害を惹し,その影響は重大である。他方,高齢者は加齢に伴う臓器,組織の働き,特に予備能,回復能の低下のため,本症罹患の頻度,その影響が強まる。本稿では高齢者の睡眠時呼吸障害の病態を慨説する。
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