文庫の窓から
『甲乙経』
中泉 行弘
1
,
林 尋子
1
,
安部 郁子
1
1研医会
pp.2158-2160
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102099
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魏晋南北朝の医学書
『甲乙経』は晋の皇甫謐(214-282)が編纂した書で『黄帝三部鍼灸甲乙経』と呼ばれたり,『黄帝甲乙経』『三部鍼灸経』という言い方をされたりしている。その皇甫謐の自序に「素問,九巻(霊枢),および明堂孔穴鍼灸治要の三部の書をとり,その事類に従って集め,浮辞を削り,重複を除き,精要を論じて十二巻とした」とある。
岡西為人の『宋以前醫藉攷』によると,『隋書経藉志』『外台秘要方』『唐書藝文志』『通志藝文略』『旧唐書経籍志』などに『甲乙経』の名があることがわかるが,それぞれ10巻とするもの,12巻とするもの,あるいは三部とのみ書いたものなどいろいろである。医学の実用の書として各時代にいろいろな版が作られ,流布していたにちがいない。
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