文庫の窓から
『湯液本草』
中泉 行弘
1
,
林 尋子
1
,
安部 郁子
1
1研医会
pp.1254-1258
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104335
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多数の著作をもつ王好古
今回は王好古の『湯液本草』を取り上げる。
王好古は字を進之,後には海蔵老人と名乗った人で,李東垣とともに張元素に師事していたが,張元素が亡くなると兄弟子の李東垣の指導を受けたと伝えられている。著作の多いことで知られており,現存のものとしては『陰証略例』『医塁元戎』『此事難知』『湯液本草』『海蔵癍論萃英』『伊尹湯液仲景広為大法』がある。ほかは散失してしまったらしいが,熊均の説によれば『活人節要歌括』『三略集』『癍診論』『光明論』『標本論』『小兒吊論』『傷寒弁惑論』『辨守真論』『十二経薬図解』『仲景一集』も著したという。また,『錢氏補遺』という医書もまとめたとされるが,現存しない。
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