文庫の窓から
『注解傷寒論』
中泉 行弘
1
,
林 尋子
1
,
安部 郁子
1
1研医会
pp.2060-2064
発行日 2010年12月15日
Published Date 2010/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103497
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金元代の医書
これまで私たちは岡西為人氏の著作『中国醫書本草考』の目次に沿って,「主要な中国医籍」と「漢方医学全書」をみてきた。つづく第3章「金元医書の書誌」では金元時代の7人の医家を取り上げて解説がなされており,劉完素(1120-1200?),張元素(12世紀),張従正(子和1156-1228),李杲(東垣1180-1251),王好古(1200頃-1264),羅天益(13世紀),朱震亨(丹渓1281-1358)の書物が紹介されている。
しかしながら,当館はこれらすべての医家の著作を所蔵しているわけではない。そこで『中国醫書本草考』第3章の終わりに掲げられた年表の中で所蔵する本についてご紹介していくことにする。金元代の医書についてまとめられたこの年表は,南宋の乾道6年(1170)から元の滅亡した洪武元年(1368)までとなっており,45の書名が掲げられていて,医家についての記事もわずかながら記されている。表1に年表の書物に関わる部分の抜粋を掲げる。
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