論述
ムコ多糖体異状症に対する白血球輸血
西岡 淳一
1
,
水島 哲也
1
,
児島 淳之介
2
,
中村 允人
2
Junichi NISHIOKA
1
1大阪大学医学部整形外科学教室
2大阪府立成人病センター
pp.328-334
発行日 1975年4月25日
Published Date 1975/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905165
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
Gargoylismと呼ばれる特異な身体的・精神的障害を主とする疾患について,従来より,諸家により遺伝学的,生化学的に検索がなされてきた.20世紀に入り,Berkhan(1907)の報告に端を発し,Hunter1)(1917),Hurler2)(1919)らがこれらの疾患を詳細に調べ,後にそれぞれHunter病,Hurler病と命名され,その後,その他の類似疾患も続々と発見され,McKusickらにより系統的に分類されている.
一方,1950年代3〜7)にmucopolysaccharideの研究が盛んになり,Brante8)(1952)が患者の肝臓中に,Dorfman9)(1957)らは尿中にmucopolysaccharideが多量に含まれることを発見し,以後Gargoylismとムコ多糖との関係を指摘する報告が相続いでなされるに到つた10〜14,20,31〜35).
さらに,Van Hoof15)(1964)らはHurler病の患者の皮膚線維芽細胞を電顕的に検索し,細胞内のlysosomeの疾患であることを指摘し,この分野の研究を飛躍させた.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.