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あとがき
山本 卓明
pp.420
発行日 2021年4月25日
Published Date 2021/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201974
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令和2年度が終わろうとしています.新型コロナ対策で生活が激変した1年でした.今年の後期研修医は,歓迎会もなく,送別会もなく,一緒に食事をする機会も一度もありませんでした.密を避けるため,総回診は行わず,疾患グループごとに必要最小限で行いました.一方,全体での術前・術後カンファは必須と考え,広い部屋で外気を入れながら,冬は凍えながら行いました.手術数は昨年度に比べ約二割減となり,その分担当できる症例が減りました.このような状況で,実力養成に資する良質な研修環境を提供できたのか,自問自答の日々です.
人が集まることを前提とした社会活動が困難となり,医療界では特に学会活動に大きな影響がありました.WEBによる参加や発表が主となり,効率的かつ便利になった反面,初めて口演する研修医にとってコンピュータに向かって話すことで,果たして真の発表能力が培われるのか,疑問でした.そのような中,昨年11月の第140回西日本整形・災害外科学会学術集会(津村弘会長:大分大学教授)は現地開催となり,久々に会場で発表する機会を得ました.ほぼ全員が初陣で,発表前には緊張のあまり青ざめている者,ギリギリまで講演内容をブツブツ唱えている者,発表後は「めちゃ緊張した!」「質疑応答があんなに難しいとは思わなかった…」など興奮気味に振り返っている姿をみると,津村会長のご英断に改めて感謝しております.
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