特集 術前・術後管理 '91
H.術後合併症の対策
f.肝・胆・膵・脾術後の合併症
術後胆道狭窄
松代 隆
1
1東北労災病院外科
pp.302-303
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900659
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■問題点の解説■
術後胆道狭窄は主として手術の過誤によるものであるが,Maingotら1)によれば原因となった手術の90%は胆摘術で,胆摘術400〜500回に1回の割合で発生している.第20回日本胆道外科研究会2)(1991年5月,京都)で良性胆道狭窄の治療が主題の1つに取り上げられ,類似の集計がなされた.この集計によると,術中胆道損傷は423例で,原疾患は胆石症が278例(66%),ついで胃手術49例(12%),十二指腸手術12例(3%)となっている.初回手術時に胆管損傷に気づき,術中に修復がなされた症例は276例(65%)であるが,うち33例は術中造影で発見されている.
術中胆道損傷の予後は,初回手術時に発見され修復されればきわめて良好であるが,修復までの病悩期間の長いもの,修復手術回数の多いもの,胆管損傷による狭窄部位が上部胆管ほど手術が困難となり,予後不良例も多くなる1).
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