増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル
Ⅲ章 術式別の術前・術中・術後管理
胆
胆囊癌に対する拡大胆摘術
三浦 宏平
1
,
坂田 純
1
,
廣瀬 雄己
1
,
堅田 朋大
1
,
滝沢 一泰
1
,
小林 隆
1
,
若井 俊文
1
Kohei MIURA
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野
pp.175-178
発行日 2019年10月22日
Published Date 2019/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212690
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術前管理
●手術適応
胆囊癌の根治切除を実施する際には,癌遺残のない手術(R0手術)を達成することが重要である1,2).当科における胆囊癌に対する拡大胆摘術は,担癌胆囊,胆囊床側肝臓,肝外胆管,領域リンパ節(肝十二指腸間膜内リンパ節+No. 13aリンパ節+No. 8apリンパ節)をen blocに摘出する,いわゆるGlenn手術変法を基本としている3,4).
拡大胆摘術の適応は,原則,①局所進展度が漿膜下層あるいは胆囊床部筋層周囲の結合組織に留まるT2胆囊癌,②肝内進展が比較的軽度なT3胆囊癌(肝以外の臓器への進展が存在しないか,存在しても軽度なもの)としている.これ以上の局所進展を呈する場合は,拡大胆摘術でR0手術を達成することは困難なことが多く,拡大手術(拡大肝右葉切除術や膵頭十二指腸切除術)の付加を考慮する3).
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