増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル
Ⅲ章 術式別の術前・術中・術後管理
胆
胆囊摘出術
中島 康介
1
,
尾崎 貴洋
1
,
田中 寛人
1
,
大友 直樹
1
,
水口 法生
1
,
岡本 知美
1
,
三島 江平
1
,
五十嵐 一晴
1
,
本多 正幸
1
,
豊田 真之
1
,
若林 剛
1
Kosuke NAKAJIMA
1
1上尾中央総合病院
pp.171-174
発行日 2019年10月22日
Published Date 2019/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212689
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術前管理
●手術危険因子
Tokyo Guidelines 2018(以下TG18)では,重症度別に患者の手術危険因子が提示された1).手術の危険因子には,Grade Ⅰ(軽症),Grade Ⅱ(中等症)では年齢調整を含めたチャールソン併存疾患指数(age-adjusted Charlson cormobidity index:CCI)2,3),ならびに,米国麻酔科学会による術前状態分類(ASA-PS)4)を用い,Grade Ⅲ(重症)ではCCI,ASA-PSに加え,臓器障害の種類(治療反応性臓器障害または致死性臓器障害)を用い,評価した.さらにGrade Ⅱ,Ⅲの手術難度が高いと思われる患者に対する腹腔鏡下胆囊摘出術(Lap-C)は,急性胆囊炎手術に熟練した内視鏡外科医のもとで行い,Grade Ⅲ症例は集中治療を含めた全身管理の可能な施設において診療を行うことを原則とした.
表1はASA-PS分類で,アメリカ麻酔学会が提供する外科手術患者の術前状態把握のため作成された指標を改変して示した4).手術危険因子は「年齢調整を含めたチャールソン併存疾患指数」(表2)に示した2,3).国際疾病分類コードに基づいた患者の併存疾患を分類する指数で,点数が高いほど死亡率が高くなる.
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