特集 肝胆膵外科における再切除と再手術─最新の治療戦略
胆囊摘出術後に判明した胆囊癌に対する追加切除
廣瀬 雄己
1
,
坂田 純
1
,
三浦 宏平
1
,
滝沢 一泰
1
,
小林 隆
1
,
若井 俊文
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野
キーワード:
潜在性胆囊癌
,
追加切除
,
遺残腫瘍
Keyword:
潜在性胆囊癌
,
追加切除
,
遺残腫瘍
pp.289-295
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002096
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胆嚢癌はその診断時期から,術前・術中に診断された「顕在癌」と,良性胆道疾患に対する胆嚢摘出術後の病理検索ではじめて発見された「潜在癌」とに大別される。近年の画像診断の進歩にもかかわらず,潜在性胆嚢癌をいまだ経験することは少なくなく,良性胆道疾患として切除された胆嚢の0.2~1%に潜在性胆嚢癌が発見される1)。潜在性胆嚢癌はその発見経緯から,多くの症例は比較的早期であり,根治手術の追加(追加切除)など,適切な治療を実施することで,良好な予後が期待できる。しかし,その予後は,初回手術前の経皮経肝胆嚢ドレナージ(percutaneous transhepatic gallbladder drainage;PTGBD)の有無,初回手術時の胆嚢穿孔の有無,追加切除のタイミング,初回手術後の遺残腫瘍の有無など,さまざまな要因に影響を受けることも知られている。
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