増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル
Ⅰ章 周術期管理・総論
輸液管理
鍋谷 圭宏
1
,
坂本 昭雄
2
Yoshihiro NABEYA
1
1千葉県がんセンター食道・胃腸外科
2さんむ医療センター外科
pp.15-18
発行日 2019年10月22日
Published Date 2019/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212645
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周術期輸液管理の意義
近年,消化器外科を含むさまざまな外科手術において,Enhanced Recovery after Surgery(ERAS®)やわが国の“ESsential Strategy for Early Normalization after Surgery with patient's Excellent satisfaction(ESSENSE)”など術後回復促進プログラムが導入されている1〜3).周術期には腸を使う栄養管理がまず選択され,術前後の絶飲食期間が短くなった.それに伴い,輸液を要する期間も短くなったが,より一層適時適切な管理が求められるようになった.
周術期の輸液管理の目的は,①水分・電解質補給と②栄養(エネルギー)投与であるが,消化器外科患者以外は積極的に②を目指す必要性は低いと思われる.そこで本稿では,栄養管理としての輸液を要する消化器外科周術期を念頭におき,最近の知見を踏まえた輸液管理の適応・意義やその実際など(表1)を概説する.
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