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あとがき
渡辺 聡明
pp.1660
発行日 2008年11月20日
Published Date 2008/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102395
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4年に一度のオリンピックが北京で開催されています.個人的には女子マラソンに期待しておりましたが,少し残念な結果となってしまいました.ほかの競技でも,期待されていた通りのメダル獲得もあれば,そうでないものもあり,毎日が歓喜,落胆の連続です.そんななか,選手達のインタビューを聞いていて,昔のことを思い出しました.
古い話ですが,あれは1970年代のミュンヘンオリンピックかモントリオールオリンピックの頃だったと思います.メダルが期待されて,残念ながら獲得できなかった日本人選手達が,よくインタビューで「本当に申し訳ありませんでした」という謝罪の言葉を述べていました.これに対して,「全力でやったのだから,謝罪するのはおかしい.外国の選手達は謝罪なんかしていないじゃないか.むしろ自分達の努力に対して敬意を払っているではないか」といった意見がある一方,「公的な経済的援助を得て競技に出場できたのだから,謝罪する気持ちは当然だ」といった意見も出ていたことがあります.公的な経済的援助があって,結果が芳しくない場合には謝罪が必要となると,医学部の学生も国家試験に不合格となったら国民に謝罪が必要ということになるのでしょう.
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