--------------------
あとがき
西田 茂樹
pp.512
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401103067
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
仕事の関係で午前10時前に外出したときなどに,車の中から街を眺めていると,パチンコ店前に行列ができているのをしばしば見かけます.パチンコには全く興味のない私は,行列している人たちは,いわゆるパチンコのプロという人たちなのかと以前は思っていました.今回,行為への依存症を企画していく過程で,ギャンブル依存症について,既に疾病としての概念が確立していることを初めて知り,不勉強であったことを恥じ入りました.パチンコ店の前に並んでいる人たちの中には,ギャンブル依存症の人が多数存在していたのです.そのギャンブル依存症の人たちは,本人もそして家族も病に苦しんでおり,治療が必要な人たちであったのです.
今回の特集では,他にも数多くの行為への依存症があり,予防,治療が必要な疾患であることが詳しく解説されています.いわゆる痴漢まで依存症として考えることができ,単に犯罪者と捉えるのみではなく,治療の対象となりうることが説明されています.覚せい剤等の物質依存症に対しても,同様に,単に犯罪者ではなく,治療の対象と考えることができます.このように,犯罪者を依存症の治療対象として扱っていくことは,より良い社会を形成していくためのひとつの方向だと思われます.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.