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あとがき
平山 惠造
pp.719
発行日 1985年7月1日
Published Date 1985/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205555
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本号の特集に「多系統萎縮症—特にShy—Drager症候群を中心に—」が収載されている。本症は病因的には未知のいわゆる変性疾患に属するが,臨床的にもまた病理学的にも幾多の問題をもっている。多系統萎縮症に属するそれぞれの疾患は,臨床病理学的に,はじめは別々に記載されたが,いろいろの知見が集積されるに従って,相互の関係が近いことが判明して来た。
各疾患の出発点となった臨床記述は全くといってもよい程に異なっている。オリーブ橋小脳萎縮症は1900年にDejerineとAndré-Thomasによって小脳性運動失調と橋核小脳病変とが対応するものであるとして記述され,その詳しい小脳性運動失調の記述は病理学的な裏付とともに独特な地歩を固めたものである。
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