Japanese
English
不随意運動アトラス8
Lesch-Nyhan症候群の不随意運動
Involuntary movement in Lesch-Nyhan syndrome
有馬 正高
1
Masataka Arima
1
1鳥取大学脳神経小児科
1Division of Child Neurology, Tottori University
pp.1170-1173
発行日 1976年11月1日
Published Date 1976/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203965
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症候 本症の不随意運動は生後6カ月以後に明らかになる。その特徴は,四肢,躯幹ともにみられる比較的早い運動でchoreatic-athetoticと表現されている。cho—rea minorの運動と異なり,捻転運動が加わることがあり,かつ,躯幹にもみられ,dystonicな要素もみられる。躯幹の不随意運動は頭部背屈,背部伸展が瞬間的に起こり,extension spasmsとも記載されている。頭部を前屈する方向への急速運動は通常みられない。また,torsion dystonia様の緩徐なmobile spasmsも認められない。
四肢の不随意運動は屈伸いずれにも起こるが,?幹と同じく,伸展方向に向うことが多い。上肢伸展,回内,下肢伸展,尖足,股関節内転などの一連の運動が急速に起こり,その振幅はかなり大きい。しかし,足指の不随意的なBabinski様位置のみがしばしばみられるような点は,athetosisの場合と同様である。不随意運動は,背臥位,腹臥位,支えての立位のいずれでもみられるが,下肢の運動は特に立位に支えた時が目立つ。一般に,精神緊張にともなつて生じやすいが,誘発は容易である。
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