症候群・徴候・48
Lesch-Nyhan (レッシュ・ナイハン)症候群
平山 恵造
1
1順大脳神経内科
pp.1183
発行日 1975年11月1日
Published Date 1975/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203800
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Catel,W.und Schmidt, J.(1959)が家族性の痛風素因(高尿酸血症)をもち,脳障害を有する小児例を報告した後,Lesch, M. and Nyhan,W.L.(米)は1964年,後に述べるような特徴をもつ神経症状と行動異常を呈し,尿酸代謝異常を伴う兄弟例を報告し,これが後にLesch-Ny—han症候群と呼ばれるようになつた。
本症候群の臨床的特徴は,伴性劣性遺伝で,専ら男子孔を侵し乳児期に発病し,はじめ精神発達の遅延と脳性小児麻痺様の症状を呈する。筋緊張は当初低下するものもあるが,何れはすべて亢進し,精神的緊張によりextension spasmとかathetosis肢位などをとり易く,下肢の交叉肢位,首の後屈反張がみられる。同時にchoreo-athetosisと表現されることの多い不随意運動がみられる。言語は精神発達のおくれによると共に,アテトーゼ様の構音障害が加わるが,言語理解,表現は不可能ではない。それに伴い嚥下障害もみられる。腱反射は亢進し,足間代を伴うようになる。
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