Japanese
English
特集 生体リズムからみた循環器疾患
心拍数および心拍リズムの日内変動
Circadian variation of heart rate and heart rhythmicity
大塚 邦明
1
,
渡邉 晴雄
1
,
小倉 久和
2
Kuniaki Otsuka
1
,
Haruo Watanabe
1
,
Hisakazu Ogura
2
1東京女子医大附属第二病院内科
2福井大学工学部情報工学
1Department of Medicine, Division of Neurocardiology, Tokyo Women's Medical College, Daini Hospital
2Department of Information Science, Fukui University
pp.621-628
発行日 1990年7月15日
Published Date 1990/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900170
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I.Holter心電図と心拍数変動
Holter心電図には心電図以外の生体情報が多く含まれている。例えば,排尿に伴う心拍数トレンドグラムは特徴があり一見してそれとわかる1,2)。飲酒に伴う心拍数の増大も特微的である。さらには睡眠・覚醒に伴う心拍変動を利用して睡眠深度を推測することも可能である1〜3)。
近年,心拍数変動と自律神経機能との関連が注目されている。心電図RR間隔の変動係数を百分率表示したCVRRがその代表であろう。副交感神経機能の指標に用いられている。一般にCVRRは,安静臥床30分後の連続100個のRR間隔の記録から計算され,安静時の副交感神経機能を表すとされている2,4)。Holter心電図のRR間隔連続記録を利用することによりCVRRを計算することができる。健常若年・老年者の各々1例において,Holter心電図の任意の時点のCVRRを求め,そのうちの各々5点でのRR間隔ヒストグラムを図1に示している。いずれの記録もほぼ正規分布し,一定条件下での計測としては充分であると思われるが,早朝空腹時30分の安静臥床後測定した値(若年者で4.51,老年者で2.70)とは異なっており,日内変動が観察される。
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