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特集 生体リズムからみた循環器疾患
血圧の日内,日差変動と降圧薬
Circadian blood pressure variation and antihypertensive medications
栃久保 修
1
,
南澤 康介
1
Osamu Tochikubo
1
,
Kohsuke Minamisawa
1
1横浜市立大学医学部第2内科
12nd Department of Internal Medicine, Yokohama City University
pp.629-635
発行日 1990年7月15日
Published Date 1990/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900171
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降圧薬の適応を決める際,各個人の血圧値が重要な指標となることは言うまでもないことであるが,その血圧値は固定されたものではなく大きな日内変動と日差変動があり,これをどのように評価すべきかは重要な問題であるがあくまでも降圧薬使用の最終的な主目標は脳卒中や心筋梗塞などの心血管合併症の発症抑制であるため,降圧薬治療の適応は,この観点より決めなければならない。
外来随時血圧(office blood pressure)と24時間血圧平均値との相関は必ずしも高いものではなく1),外来血圧のみで,1日の血圧を代表させるわけにはいかない。1日の血圧には高い時間帯と低い時間帯があるし,脳卒中や心筋梗塞は早朝ないし午前に発症頻度が多く,高齢者で降圧薬を服用していると昼間に比較して睡眠中に心筋梗塞の相対的な発症頻度が多くなることも観察されている。したがって1日の血庄変動型を配慮した降圧薬管理が理想的と考えられる。しかし,このことは理論的な予測であり,まだ実証されたものではないので,本稿では1日の血圧変動型,それに与える要因,1日の血圧合併症の頻度型,その降圧薬管理との関連についての考えについてのみ述べてみたい。
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