Japanese
English
装置と方法
拍動下心摘出法と灌流装置に工夫を加えた摘出心灌流実験
Isolated Working Heart Model improved on Isolation Method and Perfusion Apparatus
木村 弘
1
,
小池 龍
1
,
佐藤 晴瑞
1
,
大森 英夫
1
,
志熊 粛
1
,
大関 道麿
1
,
佐々木 進次郎
1
,
武内 敦郎
1
Hiroshi Kimura
1
,
Ryu Koike
1
,
Harumizu Sato
1
,
Hideo Omori
1
,
Susumu Siguma
1
,
Michimaro Ozeki
1
,
Shinziro Sasaki
1
,
Atsuro Takeuchi
1
1大阪医科大学胸部外科
1Osaka Medical Collage Department of Thoracic Surgery
pp.645-650
発行日 1986年6月15日
Published Date 1986/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204885
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目的
種々の薬剤の心臓への薬理作用,心筋代謝,外科領域における心筋保護および,心移植における心保存の研究では動物の摘出心による灌流実験が多用されている。摘出心の灌流実験においてはLangendorffの考案した逆行性冠灌流によるempty beating heart method1),Neelyらのworking heart method2)が用いられているが,左心系全体についての機能・代謝を検索するにはworking heart methodがよりすぐれている。現在working heart modelとしては多くはrat heartを用い,心摘出時一時的に心拍を停止させてLangendorff灌流(以下LP)にて心拍を再開させた後Langendorff回路とは別の回路にてWorking灌流(以下WP)へ移行させている3,4)。しかしこの方法では心摘出時に冠循環の停止をきたし,心筋全体に虚血を生じさせ,nonworking状態からworking状態への急激な灌流法の移行は心負荷を与えることになる。また,多くの場合は,冠灌流液(以下CF)を右房から排出させ再使用しているが,このことはCF中のgas分析を行えずまた,灌流液への代謝産物の混入を招きその検索に影響を及ぼすものと思われる。以上の欠点を補うために家兎を用いて心摘出時に心拍を停止きせない摘出法とLPからWPへの移行時の心負荷を経減できる灌流装置を工夫した。さらに肺動脈にカニューレーションすることによってCFのgas分析を可能にし,CFは廃棄して再使用しない方法を用いた。
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