小さな工夫
経皮的尿管結石摘出時の逆行性高圧灌流
五十嵐 辰男
1
,
山城 豊
1
1旭中央病院泌尿器科
pp.340
発行日 1988年4月20日
Published Date 1988/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204724
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上部〜中部尿管結石に対し経皮的腎尿管結石摘出術で砕石操作中,灌流不良のため視野が損われたり,破砕された結石片が遠位方向に逃げることがある。従来,閉塞用バルーンカテーテルを用いていたが,最近われわれは9Fr.尿管カテーテル(Medicon, Sheath dilator)を留置し,ここから加圧した(約700mmHg)生理食塩水を逆行性に灌流している(付図)。この方法により,軟性鏡で砕石中も尿管と結石の間隙から灌流液が噴出してくるので視野は良好であり,砕石片は順次近位方向に流れるので,摘出は容易となった。これまでに8例に行ったが,全例砕石に成功し,良好な成績を得た。また,閉塞用バルーンカテーテルを使用するより経済的であることも付記しておく。
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