呼と循ゼミナール
末梢気道病変の検出(1)—末梢気道とは
川上 義和
1
1北海道大学医学部第1内科
pp.840
発行日 1983年8月15日
Published Date 1983/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204275
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「末消気道」とは,呼吸器専門医にとって非常に身近な言葉の一つであり,日常の臨床の場で頻繁に用いられる。しかし,その意味するところは時にあるいは人によっては非常にあいまいである。
いわゆる末梢気道病変が多くのび漫性肺疾患の早期病変であるとの仮説が立てられ,動物実験,理論的研究はもとより,臨床例についても世界的に広汎な研究が行われつつある。最近の我々の臨床研究でも,ごく早期の肺病変が局在的に起きていると考えざるをえない症例が目立つような気がする。この理由の一つとして,SAB,TBLB,BALのような診断技術が進歩したことは勿論であるが.肺機能検査を駆使できるようになり最も早い時期の異常が検出され,ついでこれと形態学(SAB,TBLBBAL),生化学(BAL)を同一症例で比較検討しうるようになった,すなわちこれら優れた検査法を有機的に組合せて総合判断できるようになった点が挙げられよう。この意味で,肺機能検査はごく早期の病変をとらえる最初の手がかりとなる。
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