呼と循ゼミナール
末梢気道病変の検出(2)—正常値をめぐって
川上 義和
1
1北海道大学医学部第1内科
pp.966
発行日 1983年9月15日
Published Date 1983/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204295
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末梢気道病変のごく早期を捉えるには,肺機能検査が有力なことは論をまたないが,そこで問題となるのはいわゆる正常値である。明らかな異常と明らかな正常との間に位置するのが早期異常所見であるから,正常値のとり方によっては早期病変を見逃してしまうこともまたうまく捉えることもありうる。
通常の肺機能正常値は,年齢,体格などにより割出した標準値であって,しかもかなりのバラツキ(個体差)を持っている。この個体差は通常標準偏差で示されており,指標によって様々な値をとる。ある指標の平均値が大きければ大きいほど個体差も大きいと考えられるので,標準偏差を平均値で割った値,すなわち変動係数として表現することもある。
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