Japanese
English
綜説
右室梗塞—その病態,診断,治療
Right Ventricular Infarction:pathophysiology, diagnosis and management
土師 一夫
1
,
平盛 勝彦
1
Kazuo Haze
1
,
Katsuhiko Hiramori
1
1国立循環器病センター内科心臓部門
1National Cardiovascular Center Department of Internal Medicine Cardiac Division
pp.829-839
発行日 1983年8月15日
Published Date 1983/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204274
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右室梗塞(RVI)は1930年代から病理解剖学的検索によって急性心筋梗塞症(AMI)に少なからず合併することが報告されていた1〜17)。しかし著明な右心不全を伴う症例が少ないことと生前診断の困難さのために臨床的な問題を提起するに至らなかった。1970年にSwan—Ganzカテーテルが開発され,AMI早期の血行動態の観察が病床でも可能になったことと18),Al-Sadir, CohnらによるRVIの臨床報告が契機となり,RVIの特徴的な病態が注目を浴びるようになった19〜21)。以来RVIに関する臨床的,基礎的研究が盛んとなり,最近ではRVIは虚血性心臓病学の一分野を形成している。しかしながらそれらの病態,診断,治療についてはなお究明されなければならない諸問題が残されている。本稿ではRVIに関するこれまでの内外の知見を概説し,自験例のRVI34例の検討結果を述べる。
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