Japanese
English
装置と方法
末梢気道病変への新しいアプローチ
A new approach to lesions in the peripheral airways
田中 満
1
,
佐藤 勝
2
,
竹口 甲三
2
,
小林 弘祐
2
Mitsuru Tanaka
1
,
Masaru Satoh
2
,
Kohzou Takeguchi
2
,
Hiroke Kobayashi
2
1慶応義塾大学医学部放射線診断部
2慶応義塾大学医学部内科
1Diagnostic Department of Radlology, School of Medicine, Keio University
2Department of Intrnal Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.1203-1208
発行日 1983年11月15日
Published Date 1983/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204337
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末梢気道,あるいはsmall airwayは,通常,直径1〜2mm以下の細気管支領域をいっている。今日,末梢気道の病変は呼吸器疾患の新しい領域として注目されている。
Macklem,Hoggら1〜4)のsmall airway diseaseの概念の提唱に伴って,閉塞性細気管支炎を含めて末梢気道の病変の呼吸生理学的診断方法は進歩した。正常と思われていた症例に,細気管支の閉塞性病変が数多く見つかり,関心が一段と高まった。その後,一般的臨床知見を診断の手がかりとして,呼吸生理学的診断方法により,臨床的検討が行われてきた。しかし,進歩した呼吸機能検査でも,末梢気道の病変を把握することは容易ではない。末梢気道は,Silent zone5)あるいはquiet zone6)とも呼ばれている。病変が著明になるまで,見つからずにいることが多い。的確に早期に病態を診断するために,呼吸生理学的診断方法だけでなく,形態学的診断方法が必要である。その形態学的診断方法も,約10年前には,内視鏡検査は,将来,気管支ファイバースコープが,一段と進歩し,さらに細く,しかも解像能を増すとも,直径1mm以下の細気管支の病変の診断は至難の技であろうといわれ,選択的肺胞気管支造影(以下SABと略す)は,X線装置の進歩により将来,8〜20倍拡大が可能になり細気管支のX線学的顕微鏡診断は一段と進歩すると予測されていた7)。
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