呼と循ゼミナール
急性心筋硬塞(V)—III音・IV音と血行動態との関係について
兼本 成斌
1
1東海大学医学部内科
pp.622
発行日 1975年7月15日
Published Date 1975/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202790
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従来,40歳以後の患者のⅢ音および聴取可能なⅣ音は予後重篤な徴候として重要視されてきた。
Ⅲ音は心室急速充満期に際し生ずる拡張期心音でⅡ〜Ⅲ音時間は0.11〜0.19秒(平均0.144秒)であり洞調律では心拍数にある程度依存し,加齢により延長する傾向がある。しかし同一人では心拍数による変化は小であり頻脈となると1音に近くきかれることになる。心房細動では先行R-R間隔の関数となる。病的Ⅲ音は恒常性にとみ,頻脈で明らかとなり音量が大きく周波数も多少高く触知しうることが特徴的とされる1)。
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