呼と循ゼミナール
不整脈の新しい見方(3)—Mobitz II型
比江嶋 一昌
1
1東京医科歯科大学第1内科
pp.636
発行日 1975年7月15日
Published Date 1975/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202793
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第Ⅱ度房室ブロックには,周知のごとく,P-R間隔が漸増し,QRSの脱落をきたすWenckebach型と,P-R間隔の漸増なしに突然QRSが脱落するMobitz Ⅱ型とがある。これら2つのタイプは,心電図が臨床に登場する以前に,既にWenckebachとHayにより,別々に認められたものであるが1),1924年Mobitz2)により初めて心電図的に第Ⅰ型,第Ⅱ型として分類された。したがって,Wenckebach型をMobitz I型と呼ぶ人もいるが,最近では専ら前者の名称がとられている。
さて,Mobitz以来Wenckebach型は房室結節における伝導障害であり,予後はよく,一方Mobitz Ⅱ型はヒス束や脚における伝導障害で,Adams-Stokes症候群の前段階であると理解されてきた。しかるに,ヒス束心電図の発展により,最近では房室結節におけるMobitz Ⅱ型の報告例を散見するようになった(この場合,予後は良性と考えられる)。
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