呼と循ゼミナール
急性心筋硬塞(Ⅰ)—肺動脈楔入圧について
兼本 成斌
1
1慶応大学医学部内科
pp.44
発行日 1975年1月15日
Published Date 1975/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202707
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CCUの導入により急性心筋硬塞(AMI)の死亡率は約10%減少した。これは主に不整脈などのelectrical failureを征服できつつあることによるものであり左心不全,shockなどのpower failureの死亡率は依然として高い。AMIは主として左室の疾患であるからその血行動態を解明する手がかりをえるためにはどうしても左心系の圧をえる必要がある。
この目的のために Swan-Ganzら1)はPolyvinyl chloride製で軟らかく尖端のバルーンが血流に乗って肺動脈末梢まで進入するself guiding catheterを開発しベットサイドで不整脈を発生させることなく安全にかつ透視の必要なしに容易に肺動脈禊入圧がえられるようになった。一部の施設ではベッドサイドでの左心カテーテル法2)も行なわれており過去数年間にAMIの血行動態に関するかなりの新知見がえられるにいたった。
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