呼と循ゼミナール
急性心筋硬塞(VII)—洞性徐脈とatropine
兼本 成斌
1
1東海大学医学部内科
pp.804
発行日 1975年9月15日
Published Date 1975/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202813
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急性心筋硬塞(AMI)の発作初期にCCUで注意深く監視すればほとんど全ての例になんらかの不整脈を認めるといわれる。そして現時点ではCCUにおけるAMIの死亡率は不整脈の治療如何によるようである。今回はごくありふれた不整脈である洞性徐脈のAMIにおける意義について考えてみよう。
CCUにおけるAMIの洞性徐脈の頻度は文献により10〜30%で平均15%である1)。しかし急性発作後1時間以内では31%に,4時間以内では37%,それ以後の例を加えるとAMIでは44%の例に徐脈性不整脈(bradyarrhythmia)を認めたという報告もある2)。
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