呼と循ゼミナール
急性心筋硬塞(IX)—右室硬塞について
兼本 成斌
1
1東海大学医学部内科
pp.55
発行日 1976年1月15日
Published Date 1976/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202856
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右室の自由壁を焼灼しても肺血管床が正常であれば中心静脈圧(CVP)は上昇しなかったというStarrら1)の急性実験はあまりにも有名である。そしてその後のいくつかの追試によっても同様の結果がえられ正常イヌ心では,右室自由壁を急速に破壊しても右室不全や静脈のうっ血をきたさないと理解されてきた。
しかしながらこの欄でもすでに述べたように急性心筋硬塞(AMI)において肺動脈楔入圧ないしは左室拡張末期圧(LVEDP)に比してCVPが明らかに高い例が存在しこれらの一部には閉塞性肺疾患などがみられるが,大部分は下壁ないしは後壁硬塞でありなかには剖検によって広汎な右室硬塞(RVMI)であることが確認された例もある。
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