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特集 COPD治療のさらなる展開を目指す―ガイドライン第4版を巡って
オランダ仮説を分子レベルから探る
Dutch Hypothesis Revised by Molecular Biology
橋本 修
1
,
伊藤 玲子
1
,
丸岡 秀一郎
1
,
権 寧博
1
Shu Hashimoto
1
,
Reiko Ito
1
,
Shuichiro Maruoka
1
,
Yasuhiro Gon
1
1日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野
1Division of Respiratory Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.108-113
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102400
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はじめに
気管支喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD;chronic obstructive pulmonary disease)は,各々の疾患の定義が示すように原因,炎症発生に関わる細胞・メディエーター,炎症の結果としての病理組織像,気流閉塞部位などが異なり,異なる疾患であるが,両疾患の性質を有する病態(疾患)も存在する.1961年にオランダのDick Orieらは,気管支喘息とCOPDは共通の遺伝的素因を有し環境因子によって異なる表現型を示すという仮説を提唱した.その後,オランダ仮説は,疾患感受性遺伝子の網羅的検索・同定,分子機能解析の進歩と共に共通の遺伝的素因を様々な遺伝子・分子に求めるようになった.その解釈も少しずつ変化している.
本稿では,1961年にオランダのDick Orieによって提唱されたオランダ仮説を歴史的に振り返りながら,Orieの概念に基づきオランダ仮説を分子レベルから検証したい.
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