Japanese
English
特集 気管支喘息と気道リモデリング
気道平滑筋細胞
Role of Airway Smooth Muscle Cells in Remodeling of Bronchial Asthma
橋本 修
1
,
丸岡 秀一郎
1
Shu Hashimoto
1
,
Shuichiro Maruoka
1
1日本大学医学部第一内科
1First Department of Internal Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.1099-1107
発行日 1999年11月15日
Published Date 1999/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901992
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はじめに
気管支喘息の本態は気道局所のアレルギー性炎症であるが,さらに喘息死の剖検肺や慢性化した気管支喘息の気道局所では炎症像とともに気道壁の肥厚,気道上皮細胞の剥離,基底膜網状層(基底膜層)の肥厚,粘膜腺の肥大,気道平滑筋の増大(肥大・増殖),気道上皮細胞下の基底膜の線維化などの所見,すなわち気道のリモデリングがみられる1〜5).このような変化と気道収縮性・過敏性,気管支喘息の病態の重症化・難治化・慢性化などとの関連性が検討され,アレルギー性炎症の発生の制御とともに気道リモデリングの発生の制御は重要な課題である.
気道局所で,気道平滑筋細胞は免疫担当細胞や炎症性細胞,気道上皮細胞や肺線維芽細胞などの肺構成細胞とサイトカインやメディエーターを介してネットワークを形成し,気道炎症からリモデリングの発生過程に関与する6〜7).気道のリモデリングにみられる気道平滑筋の増大は気道収縮性の亢進をもたらす.
本稿では,気道平滑筋の増大と気道反応性,気道平滑筋細胞のphenotypeと病態との関連,気道平滑筋細胞の増殖,気道炎症からリモデリングの発生の観点から気道平滑筋細胞のサイトカイン発現などに焦点を絞り,気道平滑筋と気管支喘息の気道リモデイングの病態との関連について解説する.
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