Japanese
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特集 気管支喘息の最新の話題
気道上皮のバリア機能
Role of Epithelial Barrier Dysfunction on Allergic Airway Inflammation
権 寧博
1
,
橋本 修
2
Yasuhiro Gon
1
,
Shu Hashimoto
2
1日本大学医学部内科学系総合内科学分野
2日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野
1Department of General Medicine, Nihon University School of Medicine
2Division of Respiratory Medicine, Depart of Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.145-149
発行日 2012年2月15日
Published Date 2012/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101885
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はじめに
気管支喘息の中心的病態であるアレルギー性気道炎症は,これまで,免疫細胞を中心に展開されてきたが,近年,気道の構成細胞,特に気道上皮細胞の役割が注目されてきている.気道は外界に開かれており,外来因子の侵入を防ぐための防御ラインとしての役割を果たしている.免疫は,自己と非自己による認識により自己を防衛するシステムであるが,外来抗原の侵入を制限するタイトジャンクションによるバリアは,自己非自己の境界線であると言える.環境因子と気道上皮の相互作用は,気道上皮のバリア機能的変調を来し,それに伴う免疫寛容の破綻は,アレルギー性炎症の遷延化や,間葉系細胞の肥大・増殖,粘液細胞変性による気道リモデリングへの進展など,喘息の病像を形づくる重要な病態変化に寄与している可能性がある.
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