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特集 気管支喘息の最新の話題
Churg-Strauss Syndrome
Churg-Strauss Syndrome
谷口 正実
1
Masami Taniguchi
1
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター
1Clinical Research Center for Allergy and Rheumatology, National Hospital Organization Sagamihara National Hospital
pp.137-143
発行日 2012年2月15日
Published Date 2012/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101884
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概 念
Churg-Strauss Syndrome(CSS)は,思春期以降の喘息患者が喘息症状が数年先行した後に多発性単神経炎を中心とした血管炎症状と好酸球浸潤による臓器障害で発症する疾患である1~4).ほとんどのケースが成人喘息から発症するために,喘息主治医がまずその診断と治療を行うことが多い疾患といえる.わが国の診断基準では,臨床的診断例をCSS,病理学的裏付けがあればアレルギー性肉芽腫性血管炎と区別されているが,世界的には一律にCSSと呼ばれることが多い4~6).その概念は1951年に病理学者のChurgとStraussが古典的結節性動脈周囲炎(PAN)から,喘息,好酸球増多を伴った一群を独立させたことに始まる.本症はWegener肉芽腫(WG)やMicroscopic polyangitis(MPA)とともに,抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連全身性血管炎として1つの症候群で呼ばれることも多い1~6).この3者は,細動脈から細静脈の細小血管を病変の主座とし,肺病変と腎障害を来しやすいことで知られている.このうちCSSでは,重度の腎障害例は少なく,中年期に喘息が数年先行し,末梢血好酸球の著明増多とともに,全身諸臓器の好酸球浸潤と血管炎症状で発症するのが特徴であり,病理学的には好酸球やリンパ球浸潤を伴う肉芽腫性壊死性血管炎を呈する.
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