Japanese
English
綜説
喘息における気道構成細胞と炎症細胞の相互作用
Interaction between Airway Structural Cells and Inflammatory Cells on the Pathogenesis of Asthma
権 寧博
1
,
橋本 修
2
Yasuhiro Gon
1
,
Shu Hashimoto
2
1日本大学医学部内科学系総合内科学分野
2日本大学医学部呼吸器内科学分野
1Department of General Medicine, Nihon University School of Medicine
2Division of Respiratory Medicine, Department of Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.741-747
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102007
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はじめに
気管支喘息の発症メカニズムは,今日においても未だ不明な点が多い.近年,環境因子との相互作用により,気道系の主たる構成細胞である気管支上皮細胞と気管支平滑筋細胞に生じる形態的・機能的変調は,様々な自然免疫細胞との相互作用を介して,気管支喘息という疾患の臨床的な発症に寄与している可能性が指摘されるようになってきている.また,従来のアレルギー性炎症の発症に関するパラダイムとして,Th1/Th2バランスの破綻を中心としたメカニズムによって説明されることが多かったが,Th2サイトカインの産生源として従来のT細胞のみならず,様々な自然免疫細胞が寄与しており,これらは,構成細胞に由来するサイトカインによって活性化されることが明らかになってきている.
本稿では,アレルギー性炎症発症における気道構成細胞と炎症細胞の相互作用を中心に据えて最新の知見を基に紹介しながら,喘息病態の解明に向けた研究の新たな方向性を探る.
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