Japanese
English
綜説
気管支上皮細胞による微生物監視機構
Role of Bronchial Epithelial Cells on Recognition of Pathogens
権 寧博
1
,
橋本 修
2
Yasuhiro Gon
1
,
Shu Hashimoto
2
1日本大学医学部分子細胞免疫・アレルギー学
2日本大学医学部内科学講座内科一
1Recognition System of Pathogens on Bronchial Epithelial Cells, Advances Medical Research Center, Nihon University School of Medicine
2First Department of Internal Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.153-158
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100625
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
自然免疫による病原体認識に係わる受容体であるToll-like receptor(TLR)が発見され,自然免疫の分子基盤が明らかにされつつある.気道は外界に対して開かれた器官であり,常に病原体の進入に曝されやすいという特徴を有している.肺における病原体の主たる進入路である気道において,気管支上皮細胞の感染防御における重要性はよく知られているが,その病原体認識機構については十分に検討されていない.これまで気道の感染防御機構はマクロファージを中心に検討されてきたが,自然免疫の受容体発見の意義の一つは,従来考えられていたマクロファージなどの食細胞による病原体認識以外にも,微生物の認識とそれに対する応答がTLR発現細胞においてなされている可能性を示唆していることにある.
本稿では,自然免疫におけるToll-like receptorの役割について概説し,気道系における気管支上皮細胞による微生物監視機構が存在する可能性について述べる.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.