今月の主題 皮膚科から内科医へのアドバイス
内科と皮膚科の境界領域
Recklinghausen病
本田 まりこ
1
,
新村 眞人
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科
pp.665-668
発行日 1996年4月10日
Published Date 1996/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905042
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ポイント
●神経線維腫症(neurofibromatosis;NF)の遺伝子が近年クローニングされ,大きく2型に分類されている.
●NF1は多発性の神経線維腫,色素斑を主徴とし,骨変化,脳腫瘍,脊髄腫瘍,眼病変,貧血母斑,母斑性黄色内皮腫など多彩な症候がみられる優性遺伝性疾患で,その遺伝子は17q11.2に座位する.
●NF2は神経鞘腫が多発する優性遺伝性疾患で,両側性聴神経腫瘍が特徴になっているが,必発ではない.神経鞘腫以外に髄膜腫を合併することがある.皮膚の色素斑もカフェ・オ・レ斑のような特徴的なものではなく,その遺伝子は22q12.1に座位する.
●両疾患は混同されていることが多いが,NF2のほうが予後が悪い.
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