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Recklinghausen氏病の1例
藤田 承吉
1
1東京慈惠會醫科大學外科學教室
pp.283-287
発行日 1948年7月20日
Published Date 1948/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200346
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緒言
全身皮膚に多發性腫瘍と異常色素沈着を來す疾患に就て始めて記載しためはLudwig u. Tilesius(1793)氏等で,その後Hebra(1863)氏は此の多發性腫瘍を軟性織維腫Fibroma molluscumとして報告し,Bruns(1870)氏は本腫瘍は神經との間に密接な關係があると述べだ。1882年v. Recklinghausen氏は本症に關して詳細なる病理組織學的研究を行ひ,皮膚の多發性結節性腫瘍は神經内鞘及び外鞘の結締織纎維の腫瘍性増殖によつて生ずるものとなし,之を神經纎維腫Neurofibromaと命名したので,爾來本疾患をRecklinghausen氏病と呼ぶ様になつた。その後Verocay,Herxheimer,橋本,長與等の諸氏によつて更に多くの研究業績が發表され,又Adrian,Harbitz,上原氏等の統計的觀察が報告されている。著者は當教室に於て殆ど全身皮膚に發生せる本症を經驗したので,これを報告し諸賢の御參考に供する次第である。
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