今月の主題 日常臨床にみる水・電解質と酸塩基平衡
各種疾患にみられる水・電解質,酸塩基平衡異常
悪性腫瘍
大河原 晋
1
,
田部井 薫
1
1自治医科大学腎臓内科
pp.821-823
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904487
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ポイント
●悪性腫瘍には,様々な電解質異常を伴うことがある.
●肺小細胞癌では,異所性のADH産生によるSIADHをきたす頻度が,他の悪性腫瘍に比し非常に高率である.また,このときには一部心房性Na利尿ペプチド(ANP)の関与も考えられる.
●脳腫瘍の存在部位により,中枢性尿崩症,中枢性高Na血症を呈することがある.
●悪性腫瘍に伴う高Ca血症には大きく分けて,HHMによるものとLOHによるものの2つの発症機序がある.
●HHMは,腫瘍により産生されるPTHrPにより引き起こされる.
●LOHは,骨転移局所において癌細胞から産生されるOAFにより引き起こされる.
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