今月の主題 日常臨床にみる水・電解質と酸塩基平衡
各種疾患にみられる水・電解質,酸塩基平衡異常
腎不全
斎藤 修
1
,
武田 茂幸
1
,
浅野 泰
2
1自治医科大学腎臓内科
2宇都宮社会保険病院内科
pp.824-826
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904488
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ポイント
●腎不全の輸液管理は,体液量の調整にみではなく,複合する電解質異常や酸塩基平衡障害を同時に補正する必要がある.
●緊急を要する高K血症では,細胞内へのKの移動を促進させる治療法が,利尿を図るより速効性に優る.
●腎不全ではNa利尿により低Na血症をきたすことが多い.このため,輸液療法開始時の血清Na濃度だけではなくFENaも測定し,橋中心髄鞘崩壊を起こさないよう早期より補正する必要がある.
●腎不全では溢水,脱水のいずれの病態もきたしうるため,経時的な体液,血管内ボリュームの評価が必要である.
●代謝性アシドーシスはhalf-correctionに心掛け,anion gapが開大している際には透析療法なども検討する.
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