特集 薬にまつわる疑問に答える
耳鼻咽喉科頭頸部外科の共通病態への薬剤投与
悪性腫瘍
大野 十央
1
,
朝蔭 孝宏
1
Kazuchika Ono
1
,
Takahiro Asakage
1
1東京医科歯科大学頭頸部外科
キーワード:
頭頸部悪性腫瘍
,
薬物療法
,
免疫チェックポイント阻害薬
Keyword:
頭頸部悪性腫瘍
,
薬物療法
,
免疫チェックポイント阻害薬
pp.1259-1261
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000320
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はじめに
頭頸部悪性腫瘍に対する薬物療法ではシスプラチン(CDDP)やフルオロウラシル(5-FU),ドセタキセル(DTX)などいわゆる殺細胞性抗がん薬の組み合わせで治療を行っていた。その後,2012年には分子標的薬であるセツキシマブ(Cmab)が頭頸部癌に対する承認を受け,さらに免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブ(NIVO),ペムブロリズマブ(PEM)が,それぞれ2017年,2019年に承認され頭頸部悪性腫瘍に対する標準治療が大きく変わった。頭頸部悪性腫瘍に対する治療は手術療法,放射線治療が依然として主体であり,薬物療法は現在まで前述した薬剤が開発,臨床応用されてきたが,薬物療法単独での根治には至っていない。しかしながら薬物療法を放射線治療との同時併用療法や手術前後の治療として用いることで頭頸部悪性腫瘍治療における重要な役割を担っている。
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